レトロなニットの話・その5

さて、グリーン杢糸へちまえりのミステイクを取り戻そうと次に編んだのが、縄編みリブの葡萄色プル。その間に二浪したボーイフレンドのためによせばいいのにフェアアイルを茶色をベースにしたパピ-4プライでちくちく編んでいたが、当然身頃の途中でニットではなく男の方に愛想がつき、針つきのまま次の彼女に編んでもらってくださいという手紙とともに小包にしたりしました。(そのためメタルの3号と5号の針が1本ずつ役に立たずに残存している。)いろいろ思うことがあったのか、まじめに編みすぎて目が詰まって最初からサイズぴったり。サイズぴったりでひじを曲げると、驚くほどビヨーンと目が伸びちゃって、白いシャツブラウスの上に着たとき、あれ穴開いたの?と思って何度かひじを見直したことあり。また裾のゴム編みとのバランスも悪く、編み針の号数を変えるというわざを知らなかったからだと分析しています。


本人のサイズが標準より常に大きめなのだし、糸も指定糸ではないものを使っているのだから、ゲージを取ることの重要性はわかっている。でも早く編みたいのと、10玉いくらのバーゲンではぎりぎりのため、テキトーゲージで編み始めていることが問題だったとは思う。

縄編みのシンプルなセーターは今見ても古さを感じさせず手編みらしくて色も大好きな1着。でもサイズがやっぱり合わない。昔の人だったらほどいて編みなおしというところでしょうけれど、ほどく時間と毛糸をまた伸ばすという手間暇については最初から念頭になく、流行のフェルト化にして小物へ転用しようとしましたが、獣毛かなにかものすごい臭いに襲われ、色も思いっきり出てきてしまって・・・赤ワイン煮のような状態で1度洗いであきらめ。

でも、シンプルで時代を経ても飽きを感じず、自分自身を唸らせるヴィンテージの1着を丁寧に編もうじゃないか、そういう誘いをしてくれる私の小さな重要文化財とでもいえるでしょう。(20100207)

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