レトロなニットの話・その7

冬ものだけでなく、夏物も若干手がけていたのかなあ、と思われるのは、この棒針ネットのサマーマーガレット。糸は甘より合細くらいでコットン(オリンパスグランデ・コットンL:当然廃盤)ですべりがよく、編みやすくて一気に仕上がったことは覚えている。マーガレットは今流行ですが、70年代半ばはまだ珍しく、これと、寒いときに手だけ入れるという筒状のマフ(muff)、それも白いラビットかなんかでできているタイプに、東京はそんなに寒くもないのに妙な憧れを抱いていました。寒いのはいやだけどマフはしてみたいというわがままなもので、豪雪地域のみなさん、ごめんなさい。

このマーガレットは、単に長方形に編み、算盤玉をつぶしたような形のウッドボタンを数箇所つけて、どの穴にも入れられるようにして、ショールと兼用できるように作ったもの。我ながらよく工夫できた・・・ふむふむと密かに感心していたけれど、コットンの重量と私の運動量に耐えかねて、ボタンがすぐにとれてしまった。物理苦手というより選択してない・・・そうじゃなくてただボタンの形状が悪かっただけなのか、つけ方が甘かったのか・・・。




数年前、衣装ケースから発見したとき、残念なことに茶色のシミも点々と・・・おそらく日焼け止めとかコロンとかが十分落ちないままだったからではないかと思います。ため息混じりにひっくり返していたら、おっと、リバーシブルでもいけるじゃん・・・ビーズを編みこみながら段染めレース糸でシンプルに細編みの縁取りをして、ボタンも同糸で古い金属のをくるんで取り付けました。くるみボタンも思いつきで、作り目1目から細編みでぐるぐる円形をつくり外周ぴったりになったら、1段同数のあと、逆に減らしていってボタン穴側で終える。実用性を重んじる場合は。ボタンぴったりになるように作るのがコツみたいですね。この円形モチーフの応用は、サマーセーターでシミのため着られなくなったところにビーズつきで大小縫い付けて、大活躍してます。

こうして棒針とかぎ針が初めて合体したリメイクで少し延命・・・編み方がどうしても思い出せなくてくやしいなあ・・・と、パラパラめくったミセストマスのパターンブック144ページにあった、あった。

Trellis Faggot :トレリスつなぎの右方向バイヤス(奇数目をつくり1段目:表目1、*掛け目+表2目一度*、*から*繰り返し。2段目:裏目。以上2段を繰り返す。)トレリスなんて聞いた途端にうれしくなっちゃう。レース編み初心者の方やレースはいいけどパターンが複雑なのはどうも苦手、ともかくあっという間に編んでみたい人にお勧めです、この編み方。そしてショールはリバーシブルがお得みたい。表裏確かめずにはおってしまうことのある人にも有効。(20100209)

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